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「知らずに大病院を受診したら7,000円以上追加で取られた!」紹介状なし受診の選定療養費のよくあるケースを薬剤師が解説

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尾崎 拓也(薬剤師・調剤薬局経営者)が執筆・監修
和歌山県内で調剤薬局を経営。本記事は現役薬剤師としての実務経験と公的資料に基づいています。 プロフィールはこちら

「かかりつけの内科が混んでいたので、近くの大病院の外来に直接行ったら、いつもの3割負担とは別に"選定療養費"として7,700円(税込)を請求された」「大病院で再診のたびに追加料金がかかると言われてびっくりした」——こうした疑問やトラブルは、Q&Aサイトや薬局窓口でよく見かけます。今回は紹介状(診療情報提供書)なしで大病院を受診すると発生する「選定療養費」について、よくあるケースをもとに薬剤師が解説します。

※この事例は、薬局でよくあるケースをもとに再構成した一般的な例であり、特定の実話ではありません。制度の最新情報・対象病院・金額は各医療機関にご確認ください(2026年8月時点の情報をもとにしています)。
📋 この記事でわかること
  • 選定療養費とは何か、なぜ追加料金が発生するのか
  • どの病院で請求されるか(特定機能病院・200床以上の一般病院)
  • 初診・再診それぞれの最低金額(2024年10月改定後)
  • 紹介状があれば避けられる理由と受け取り方
  • 救急・緊急時は免除されるケース

よくあるケース:「3割負担とは別に7,700円が請求された!」

50代の会社員の方が、腰の痛みが続くため整形外科を受診しようとしたケースです。かかりつけの診療所が休診だったため、近くにある400床規模の大病院(地域医療支援病院)を直接受診しました。診察と薬が終わり、会計で「保険分の窓口負担3,200円+選定療養費7,700円(税込)」と案内されて初めて追加料金の存在を知りました。

「保険証は持ってきたのに、なぜ追加料金がかかるのか」と薬局でも相談を受けることがあります。これは病院側の誤請求や違法行為ではなく、国が定めた制度に基づいた正規の徴収です。

選定療養費とは何か

選定療養費(初診・再診に係る特別の料金)は、大病院への患者集中を緩和し、診療所・中小病院との役割分担を促すために設けられた制度です。

病院と診療所の役割分担の考え方は次のとおりです。

医療機関の種別 主な役割 紹介状なし受診
かかりつけ診療所・中小病院 日常的な診察・健康管理 追加料金なし
対象の大病院(特定機能病院・200床以上等) 高度・専門的な医療 選定療養費が発生

大病院に患者が集中すると待ち時間が大幅に伸び、専門的な治療が必要な患者の診療に支障が出ます。軽症の場合は診療所で診てもらい、専門性の高い検査や治療が必要なときに紹介状を持って大病院へ、というルートを推奨する仕組みです。

どの病院が対象になる?

選定療養費(初診・再診)の徴収が義務づけられているのは次の3種類の医療機関です(2024年10月時点):

  • 特定機能病院:大学病院の本院など高度な医療機能を持つ病院(全国85施設程度)
  • 一般病床200床以上の地域医療支援病院:都道府県知事が承認した医療連携の要となる病院
  • 一般病床200床以上の紹介受診重点医療機関:2022年度から追加された区分(高度な医療を外来でも担う病院)
受診前のチェック方法:
受診予定の病院が対象かどうかは、病院のホームページや受付で確認できます。対象病院は「紹介状をお持ちでない場合、選定療養費○○円(税込)をいただきます」といった案内を掲示していることが多いです。

金額はいくら?(2024年10月改定後の最低額)

選定療養費の金額は病院が独自に設定しますが、2024年10月の改定で最低徴収額が引き上げられました。

区分 2022年10月〜2024年9月 2024年10月〜(現行)
初診(医科) 5,000円以上(税別) 7,000円以上(税別)
再診(医科) 2,500円以上(税別) 3,000円以上(税別)
初診(歯科) 2,000円以上(税別) 3,000円以上(税別)

大学病院の場合は初診8,800円(税込)以上など、さらに高い金額を設定しているところも多いです。選定療養費は保険外負担(全額自己負担)のため、高額療養費制度や医療費控除の計算に含まれません(医療費控除には含められる場合もありますが、高額療養費の限度額計算には含まれません)。

紹介状があれば選定療養費は免除される

かかりつけの診療所・病院(かかりつけ医)に受診し、診療情報提供書(紹介状)を発行してもらってから大病院を受診すれば、選定療養費はかかりません。

📌 紹介状を受け取る流れ
かかりつけ診療所へ 「大病院に行きたい」と相談 紹介状(診療情報 提供書)を発行してもらう 大病院を受診 選定療養費なし 専門的な検査・ 治療を受ける

紹介状の発行には診療情報提供料(保険適用・自己負担数百円程度)が別途かかりますが、選定療養費(7,000円以上)と比べると大幅に安く済みます。

また、急を要する救急搬送や、緊急入院・緊急処置が必要と判断された場合、同じ病院からの再受診(同疾患)など、一定の条件を満たす場合は選定療養費が免除されます。

薬剤師のひとこと:
よくある誤解として「救急外来は無料だから」と、軽症でも救急を受診する方がいます。しかし軽症の場合、時間外加算や処置料はかかりますし、救急医療の逼迫にもつながります。まずはかかりつけ医を持ち、専門受診が必要なときは紹介状を活用するのが賢い選択です。
📝 まとめ
  • 特定機能病院・200床以上の対象病院を紹介状なしで受診すると、保険診療費とは別に選定療養費がかかる
  • 2024年10月改定で初診の最低額が7,000円以上(税別)に引き上げられた
  • 選定療養費は全額自己負担で高額療養費の上限計算には含まれない
  • かかりつけ医で紹介状をもらってから受診すれば選定療養費は免除
  • 事前に病院のホームページや受付で対象病院かどうか確認するのが安心

「大病院に直接行って料金が上乗せされた」「かかりつけ医への紹介状の頼み方がわからない」——そんなときはお気軽に薬剤師にご相談ください。かかりつけ医の見つけ方や紹介状の仕組みについてご案内できます。

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療・服薬指導の代替となるものではありません。体調や薬について気になることがあれば、医師・薬剤師にご相談ください。制度・金額は公開時点の情報に基づきます。詳しくは利用規約・免責事項をご覧ください。

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